ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2022年05月16日

ガイドの日記帳 クロツグの花

P1170104クロツグ花.jpg ゴールデンウィーク中は残念ながらお天気がイマイチな日が続きましたが、そんな森や集落で甘い花の香りに気づかれたかたが多かったようです。キンモクセイに似た芳香をはなっていたのはこのクロツグの花です。クロツグはヤシ科の常緑低木で日本では南西諸島に自生し、小笠原では栽培していたものから野生化しているそうです。
幹の上部の葉に接した部分は黒い繊維に覆われていますが、繊維は縄や網などに利用されたとのことです(参考文献:『琉球の樹木』)。沖港周辺では鮫ヶ崎遊歩道や静沢戦跡、月ヶ岡神社などに多く、ちょうど今が花の見頃です。実が付くと赤くなった実をオガサワラヒヨドリが採食するのを見かけるので、鳥散布で増えているものと思います。
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2022年04月30日

ガイドの日記帳 乳房山開花情報

P1160704テイカカズラ.jpg 4月中は霧に包まれた日が多かった乳房山ですが、しっとりとした空気に包まれシダやコケが
生き生きとしています。開花中の植物は、シマギョクシンカ、テリハハマボウ、ヒメツバキ、ムニンネズミモチ、テイカカズラ等で、白い色の花が多いです。画像は、西ルートの岩場で開花中のテイカカズラですが、歌人の藤原定家(ふじわらのていか)がこの植物に姿を変え、思いを寄せる人のお墓に絡みついたという伝説があります。
風車のような形の可愛い白い花のテイカカズラにそんな言い伝えがあるなんて意外ですね。また、キョウチクトウ科のテイカカズラの切り口からは乳液がでて触れるとかぶれることもあるそうです。
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2022年03月21日

ガイドの日記帳 レモンの花

IMG_7630レモンの花.jpg母島のこの季節、集落を歩いていると爽やかな香りがどこからともなく漂ってくることに気づきます。周囲を見渡してみると、レモンの木に沢山の花が咲いていて、セイヨウミツバチやメジロやメグロがやってきています。レモンの花は両性花で、ひとつの花に雄しべと雌しべの両方が備わっていて、中央にある雌しべの先端に花粉が受粉するとレモンの実ができます。レモンの花に集まってきている虫や鳥たちが受粉させているのですが、鳥はレモンの花の蜜を得るために激しく花をつつくので、どうかすると花が落ちてしまうことがあります。今年はレモンの花付きがよく鳥に花を落とされても十分収穫が見込まれますが、花が少ない年はちょっとハラハラしますね。
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2022年03月11日

ガイドの日記帳 鳥たちの好物

P1160407鳥たちの好物.jpg暖かい日が続き鳥の行動が活発な毎日ですが、私の自宅近くに沢山の青い色の鳥の糞が落ちるようになりました。この時期にこんな色の植物の実はなんだろうか?と毎日考えていましたが、それは身近なところにありました。イヌホオズキというナス科の草で、パッと見ると黒く見える実を付けていますが、これが青い糞の正体でした。イヌホオズキが群生しているのは集落の山の斜面ですが、ギンネム林だったところを刈り払って落石防止用のネットを張ったところ、今の段階では草地になって沢山の鳥が訪れ、運ばれた糞によってイヌホオズキが群生しその近くには驚いたことにミニトマトも野生化して育っていました。2019年の大型台風の後は、石門にパパイヤの林ができてびっくりしましたが、鳥散布で発生した植物をみると、母島の鳥がどんなものを好んで食べているのかがよく分かりますね。
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2022年03月07日

ガイドの日記帳 母島の秘境

IMG_8413石門カルスト台地.jpg母島の秘境:石門は原生性が高い貴重な地域として、様々なルールを設定して利用さ
れていますが、入林禁止期間が終わり3月1日から利用が再開となりました。2月中に
は近自然工法(林内の石や木を利用して道の補修を行う)による作業が行われ、傷ん
でいた土留めの木を交換したり、崩れていた路肩に石を積むなどして道を修繕し、安
全に歩行できるようになりました。私も2日間作業のお手伝いをしましたが、北海道
から指導に来てくださるかたの技術の高さにいつも感動してしまいます。石門ツアー
に参加されるかたは、是非道の修繕のあとにも注目してみてください。3月の石門は
花の開花等は少なめなのですが、リュウビンタイやシマオオタニワタリなどの大型シ
ダが生き生きとして美しく、気温もまだ低めなので歩きやすい季節です。3月中は一
部利用不可のルートもあるため、全ルートを歩きたいかたは4月がお勧めです。
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2022年02月27日

不思議な青い実

P1160229タビビトノキの実.jpg母島の南進線沿いで見かけるタビビトノキ(旅人木)は、バナナやヤシによく似た葉のゴクラクチョウカ科の植物です。もともと母島に自生するものではなく、マダガスカル原産の外来種で植栽されたものですが、高さ10mほどになりエキゾチックな姿は青空によく映え南国を感じさせてくれます。面白いと思うのはストレチアによく似た花が終わったあとにできる青い膜に包まれた実です。送粉するのは哺乳類だといわれていますが、母島ではオガサワラオオコウモリや鳥などが送粉者なのかも知れません。「種子の宝石」ともいわれるくらい、自然界ではありえないようなブルーの実は、万年青橋のあたりに落ちていることがあります。近くに行かれた時には探してみてください。
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2022年02月24日

軽石

P1160245軽石.jpg少しづつ日の入り時間が遅くなってきて、母島到着後も散策が楽しめる時間が長くなってきました。到着後のお散歩コースでおススメの「脇浜なぎさ公園」で先日見かけた軽石についてご紹介したいと思います。昨年、福徳岡ノ場で噴出した軽石が沖縄方面や伊豆諸島方面に大量に漂着してニュースになっていましたが、少し遅れて母島にも漂着しました。色は灰色〜やや黄色みがかったものが多く、よく見ると色々な形質の粒々が含まれています。鉱石に詳しいかたが教えてくださったことでは、緑色っぽい結晶が橄欖石(かんらんせき)、黒っぽい柱状の結晶が輝石、粒がやや大きく白っぽいのが斜長石だそうです。軽石は漂流しているうちに崩れていくためとても大きなものは見かけませんでしたが、まだ肉眼でも観察して楽しめる状態です。波打ち際で見つけたら観察してみてください。
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2022年02月11日

ガイドの日記帳 灯篭草

P1160192セイロンベンケイ.jpg2月になり母島では北西の風の日が多くなりました。晴れると半袖でも大丈夫なのですが、曇りの日は風が冷たく感じられます。今朝は寒いな、と朝のゴミ出しにいくとき寒暖計を見たら13℃でした。そんなとき、内地よりずっと暖かいのに寒いなんて言って申し訳なく思います。さて、母島で人気のコース乳房山ですが、季節を早どりしたヒメツバキの開花がちらほら見られますが、今の時期に目をひくのはセイロンベンケイだと思います。小笠原ではハカラメ(葉から芽)の名前で親しまれていますが、提灯のような形の下から赤いスカートのような花が咲くと、メジロやメグロ等の鳥が蜜を求めて集まってきます。昔は灯篭草(トウロウソウ)ともよばれたそうで、島の人にも馴染ぶかい植物です。小剣先山入口にも群生していますので、そちらも是非ごらんください。
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