ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2020年06月26日

アコウザンショウ

 DSCN0013アコウザンショウ.jpg 母島は例年よりも少し早く雨季が終わり、本格的な夏の始まりを感じています。母島の森では昨年の10月の台風21号後の影響を受けてか、なんと1月にヒメツバキが満開になりましたが、再び6月にも見事に開花し私たちの目を楽しませてくれています。そんな森歩きで気を付けて欲しいのがこの「アコウザンショウ」です。ミカン科の固有植物で近縁種として本州にはカラスザンショウがありますが、アコウザンショウの幼木には葉柄や茎に浅い棘があり、棘で皮膚を傷つけるとかぶれたり水疱ができることがあります。観光自粛期間には私は森林保全の仕事をしていましたが、今年はこの植物が多くずいぶんやられました。石門や乳房山に多い植物なので、長袖や手袋着用で気を付けてくださいね。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月28日

メグロの巣作り

DSCN0010蛹のマユをほぐすメグロ.jpg 母島はそろそろ雨季に入るようで、今週から雨マークの予報が多くなりました。季節は春から初夏に向かい、鳥たちは繁殖期の真っ最中です。まだ暗いうちからイソヒヨドリの雄が張り切って鳴き始め、鰹鳥島には多くのカツオドリが営巣のため飛来しています。母島の固有種の鳥「メグロ」も、先日は蛾の繭を一生懸命にほぐしていて、蛹を食べるためなのかと観察していたところ、巣材としてほぐした繭を運んでいきました。メグロの巣材はオガサワラビロウの幹の繊維やスゲなど細長い枯葉を使ってあることが多く、時には他の鳥が作った巣を壊して巣材を運んでいるチャッカリさんもいます。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月17日

オカヤドカリ殻交換?

  IMG_6247オカヤドカリ殻交換.jpg昨日の南崎ハイキングの途中で見かけた光景ですが、オカヤドカリの殻交換のようです。国指定天然記念物になっているオカヤドカリは、しばしば外来種のアフリカマイマイの貝殻に入っていますが、画像の体が大きいほうのオカヤドカリの貝殻は壊れていて、近くにいた小さいほうのオカヤドカリの貝殻を奪ったようです。最初は雄雌の繁殖行動の途中かな?と思ったのですが、貝殻が壊れているので殻交換なのではと思いました。手頃な貝殻がないときにはこうして貝殻を奪うことがあるそうです。奪われたほうはいい迷惑ですね。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月13日

ホッピングスタンプラリー

IMG_6239ホッピングスタンプラリー.jpg 東京の島々を巡る「ホッピングスタンプラリー」が2020229日から始まりました。対象になっている伊豆諸島と父島・母島などのチェックポイントに着いたら、スマホのGPSアプリ機能を利用してチェックインすると、スマホ画面でスタンプが入手できる仕組みだそうです。そして、取得したスタンプの画面を提示すると各島の缶バッジ交換場所で記念缶バッジがもらえます。母島の場合は、チェックポイントは乳房山、缶バッジ交換場所は母島観光協会です。事前にヤマスタアプリをスマホにインストールする必要がありますが、沖港船客待合所でフリーWi-Fiが使えます。母島観光の記念にいかがでしょうか。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月21日

北港の謎のシート

IMG_6948北港防草シート.jpg母島の島内観光の定番の[北港(きたこう)」は北部の静かな入り江です。昭和19年の強制疎開までは600名以上の人が生活していた北村がありました。そのため、北港周辺には過去に栽培していた植物が野生化していて、衣舘川付近から北港の海岸部にかけては特にシュロガヤツリというカヤツリグサの仲間が群生しています。昨日北港に行ったところ謎のシートが出現していました。最近シュロガヤツリを除去して、芽が出ないように遮光シートを掛けてあるのだそうです。昨日は北風がやや強く北港に長くいると少し肌寒かったです。ご旅行にいらっしゃる際は重ね着で調整してくださいね。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月29日

小富士山頂から初日の出

IMG_6942小富士山頂から日の出.jpg残すところ今年もわずか。振り返ると一番印象に残ったのが10月の大型台風の被害でした。台風21号の影響で傷んだ樹木も新芽が芽吹き徐々に回復してきているのを見ると、自然の逞しさに励まされます。そんな母島の森を歩き、小富士山頂から初日の出を見る母島観光協会主催のハイキングが元旦早朝に催されます。姪島の近くの水平線から昇る初日の出に元気をもらいましょう!日の出の時刻は6:20くらい、日の出時刻の気温は19〜20℃前後です。風が吹くと寒く、また現在の予報では雨も予想されるため、防寒着を兼ねたレインウエアを用意したほうが良さそうです。どうか晴れますように!!
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月21日

シマホルトノキとメグロ

P1060592シマホルトノキとメグロ.jpg 母島をメチャメチャにした台風21号通過からそろそろ1ヶ月が経とうとしています。台風直後には母島の森・山ではたくさんの倒木が発生して、どの遊歩道も通行止めになりましたが、東京都レンジャーや地元の建設業者の皆さまのお陰でほぼ全てのルートが開通しました。台風後2週間くらいから強い潮風の影響で木々の落葉が目立ちましたが、1ヵ月を待たずに木々も芽吹いてきて、自然の力強さを感じる一方で、石門では見ごたえがあるウドノキの大木をはじめ、シマホルトノキやアカテツ等が根元から倒れてしまい、再生が難しいものもありとても残念に思っています。画像はシマホルトノキの実を食べるメグロです。メグロは森林ではガやクモなどを食べていることが多いのですが、一時的にそれらが減ってしまっているのか、シマホルトノキの実を樹上採食していました。アカガシラカラスバトは台風後どこに行っているのか限られた場所でしか見かけません。台風後の母島の森林の変化を注意深く見守っていく必要を感じています。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月19日

船木山の滝

DSCN0137船木山の滝.jpg 台風19号後、日本各地から被災の状況が報道されていて心が痛みます。台風19号は母島から450q以上離れて通りましたが、それでもかなりの風雨でした。台風後は母島の森が長時間吹いた潮風で傷み、木々の葉が茶色くなって徐々に落葉してきました。台風後各所のルートチェックに歩いていますが、いつもは水流がない「船木山の滝」がみごとな滝になっていました。この周辺は年間通して気温が低く、戦前はこのあたりで白菜を作ったところよく作物ができたそうです。現在では近くにコーヒーが何株か育っていて、シマホルトノキやオガサワラリュウビンタイ等が自生して湿性高木林の雰囲気を醸しだしています。近くにはベンチがあり、ゆっくり休憩していると滝つぼを利用する鳥を観察することもできました。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月10日

ゴールデンシャワー

DSCN0045ゴールデンシャワーの花.jpg
 母島の北進線の蝙蝠谷付近には、ゴールデンシャワー(ナンバンサイカチ)が開花中で、車で通るたびチラ見していますが、黄色い花は見る人の気持ちを明るくしてくれる気がします。花をよく見ると、花色が薄い黄色から濃い黄色へとグラデーションがかかっていて、天然記念物のオガサワラクマバチが蜜を求めてよくやって来ています。低い位置にも花が咲いているので、オガサワラクマバチの写真も撮りやすいですよ。また、ゴールデンシャワーの木の下には昨年咲いたあとにできた沢山の実が落ちていますが、とても長く堅い鞘なので私は肩たたきに使っています。鞘の中には大きな種子が入っていますが、小笠原では特に利用はしていません。ゴールデンシャワーはタイの国花だとか。日本では沖縄や奄美などの南の地方にも生育しているそうです。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月21日

ハマゴウ

P1060516ハマゴウ雄さん海岸.jpg 母島の海岸付近を歩いていると、砂地などに這うようにして生育しているハマゴウを見かけます。日本では本州・四国・九州・沖縄等に分布し、漢字では浜拷や浜香と表記されますが、これはハマゴウが持つ清涼感がある香りに由来するようです。葉を手で軽く握りしめるとオレガノによく似た香りがします。果実には薬効があり乾燥させて漢方薬に配合されるそうですが、茎や葉をいぶして蚊よけに使う地方や、枕に入れて安眠効果を利用する地方など、日本各地で利用しているようです。小笠原でも戦前は何かに利用されていたのでは?と想像しています。ガイドツアーでは、ハマゴウの葉に触れて爽やかな香りを楽しんで頂いています。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月22日

ハート型の夕日

IMG_4808ハート型の夕日.jpg 長引いた台風10号の後、母島は急に秋らしくなってきました。朝夕の風が涼しくなり、夕方の太陽の光も黄金色。もう何度かまた真夏に逆戻りする日があると思いますが、早い秋の訪れを感じています。先日は観光PRの撮影のエスコートの仕事があり、

夕日の撮影でサンセットシアターで夕日待ちをしました。途中までは雲がなく、今日はグリーンフラッシュかな?と期待したのですが、水平線が薄い雲に覆われてじんわりと夕日が沈みました。でも、見てください!沈む途中で夕日がハート型になりました。こんな写真が撮れたのは初めてです。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月08日

夏の日の出ポイント

DSCN0002裏南京からの日の出.jpg すっかり真夏になった母島では毎日暑い日が続いています。と言っても、暑い日の最高気温は31℃ほどで、都会の最高気温よりも低いくらいです。日中でも日陰に入ると涼しい風が吹き、そんなときに小さな幸せを感じます。夏の時期、私が好きな時間帯は日の出のとき。鳥のざわめきが響く中、見晴らしがいい場所で見る日の出は格別です。 バイクや車で行くなら東港展望台がお勧めです。ガイドと一緒なら裏南京からの日の出も綺麗ですよ!

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月23日

擂鉢休憩所

IMG_4216南崎擂鉢.jpg大型連休後半から雨が降る日が増えた母島です。母島南部の「南崎遊歩道」は往復約4qのハイキングコースですが、遊歩道というと上高地の大正池のあたりの木道のようなイメージを持つかたが多いと思いますが、南崎遊歩道は赤土の路面で階段あり梯子ありのコースです。観光のかたから「遊歩道って書いてあるけどジャングルですね!」と言われることも多く、4qも歩くことですし、5〜6月の雨後で路面がぬかるんでいる時は滑りにくいシューズがいいのではと思います。南崎遊歩道には水はけが悪い場所もあり、所々に近自然工法による木道なども設置してあります。擂鉢休憩所も、雨後は水が溜まり休憩できない場所でしたが、都レンジャーの皆さんが木道を設置してくださいました。利用者が多く休憩する地点なので助かります。ありがとうございました!
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月14日

ツブカラカサタケ

DSCN6920ツブカラカサタケ.jpg 最近雨の日が多く、森・山でも色々な種類のキノコを目にしますが、集落内の芝生にこんなキノコが生えていたら食べないでください。カラカサタケ属のキノコですが、消化器系の食毒があり、食べると下痢や嘔吐等の症状がでるものが多いようです。食用になり美味しいとされるカラカサタケの仲間もありますが、見極めが難しいです。そうそう、光るキノコのグリーンペペもやっとチラホラ見かけるようになりました。グリーンペペが群生するのももうすぐ?楽しみですね。この他にもこれから色々なキノコが発生するシーズンですが、色や形を見て楽しむのが無難かも知れません。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月09日

乳房山の開花状況

IMG_4026シマギョクシンカ.jpg 大型連休も終わり、母島は雨季に入ったようです。毎日たくさんの雨が降り、貯水率が下がっていた乳房ダムも昨日は84%になったそうで一安心です。しっとりとした森・山では、カタツムリを以前のようにまた見かけるようになりました。そんな母島の乳房山は植物の開花シーズンを迎えています。先日見かけたものでは、シマギョクシンカ、ムニンモチ、シマザクラ、テリハハマボウ等の固有植物の他、テイカカズラ、ヤナギバモクマオウ、セイロンベンケイなどが開花していました。画像のシマギョクシンカは特によい香りがするので、見かけたら香りを確かめてみてください。この他、オオバシロテツやヒメツバキも蕾を付けており、来月頃には様々な種類の花を楽しめると思います。雨が降りやすい季節なので、森・山の散策にはレインウエアをお忘れなくご用意ください。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月28日

コーヒーの花

P1040288コーヒーの花.jpg 日本各地から桜の花だよりが寄せられる季節となりましたが、母島のフルーツロードではコーヒーの花が花盛りです。コーヒーはアカネ科の3〜4mの低木ですが、花には芳香があり近づくと心地よい爽やかな香りが漂ってきます。小笠原へコーヒーがやってきたのは明治時代にさかのぼり、母島でも明治時代には無償で苗が配られたようです。フルーツロードではコーヒーの花のほか、赤く熟したコーヒーの実が付いている木もあるので、のんびり散策しながら探してみてください。コーヒーの近くにはナンヨウサクラとも呼ばれる赤い花が咲いています。また、シャシャップやジャックフルーツやピタンガなど珍しい果物も実っています。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月05日

ホエールウォッチング

IMG_5137スパイホップ.jpg 母島で企画としてのホエールウォッチングが初めて開催されたのが 1988年のことですが、翌年から事業化されそれからザトウクジラが見られる島として沢山のお客様が小笠原諸島にいらっしゃるようになりました。母島は海のツアーの業者が少ないため、ザトウクジラものんびり母島周辺を回遊しているようで、沖港を出発してすぐの地点でウォッチングが楽しめます。3月3日はOWA母島支部主催で島民ホエールウォッチングが開催され、沢山のザトウクジラに出会うことができました。画像はスパイホップという行動で、海面からザトウクジラが顔をだし周辺を見渡しているこころです。背景に陸が映っていますが、こんなに陸から近いところでクジラが見られるのが母島のホエールウォッチングの特徴です。ザトウクジラに会いに母島に是非ご来島ください!
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月15日

2月の乳房山情報

P1030698乳房ダム水位.jpg 相変わらず少雨傾向の母島ですが、昨日は久々に雨が降りました。でも、乳房ダムの貯水量は54%とのことでダムに溜まるほどは降らなかったようです。さて、乳房山ですが登山道の改修工事によって古くなった階段の丸太材が新しい角材に交換され、とても歩きやすくなりました。重い資材の荷揚げや歩道整備には作業される方々にいつも心から感謝しています。以前道迷いが発生した箇所にも道標が取り付けられて、来島される観光の方々も安心して歩ける登山道になってきました。また、景観をよくするための外来種の伐採が行われたことで、第一休憩所からは乳房ダムがよく見えるようになりました。2月になりザトウクジラの頭数も増えてきたので、登山道からもホエールウォッチングが楽しめます。是非、乳房山に登ってみてください。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月10日

オガサワラチビクワガタ

IMG_3637オガサワラチビクワガタ.jpg先日、ツアー中に足元でじっとしている小さな虫に気づきました。ほんとうに道の真ん中で、もう少しで踏んでしまいそうでしたが、久々のオガサワラチビクワガタでした。晩秋から冬にかけてこうして偶然見かけることがありますが、いつもは朽木の中にいるのでまず目にすることはありません。世界にはチビクワガタの仲間が300種類くらいいるそうですが、だいたいが1pくらいの小さなもので、その仲間の中ではオガサワラチビクワガタは大きくなるほうなのだそうです。そしてメスとオスは外見では区別がつきにくいそうです。 大きくても1.5p〜2pくらい。踏んでしまわないように注意深く歩こうと思います。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月07日

オガサワラグミ

DSC04731オガサワラグミ.jpg 12月に入り、また暖かい日が続いています。空も海もとても青くて、体を動かすのも気持ちよく、母島に住んでいて良かったと思うのが今頃の季節です。先日から母島の山を歩いていると、ふとした瞬間に甘い花の香りを感じるようになりました。昨日は写真を撮るのにちょうどよい高さにオガサワラグミが満開に咲いていているのを見かけました。オガサワググミはつる性の低木で、ややクリーム色がかった花弁のように見えるのは萼片です。3月頃に小指の先ほどの楕円形で赤褐色の実を付けます。実はタンニンが多いのか渋く、たまに甘い実に当たるとすごく嬉しい気持ちになります。今年の月頃はアカガシラカラスバトがこの実をよく食べていました。この冬〜春にかけては実も豊作になりそうで、鳥たちも嬉しいことと思います。

posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする