ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2021年04月27日

オオヤマイチジク

P1090903オオヤマイチジク.jpg 母島の湿性高木林とよばれる森に自生するオオヤマイチジクは樹高8mほどに生長するクワ科の固有植物です。イチジクの仲間には珍しい4倍体のオオヤマイチジクは、画像の左側のトキワイヌビワ(イチジクの一種)の2倍体に比べても葉も実も大きく、また樹高もかなり高くなります。農業では野菜や果物等の大型化をめざして4倍体を培養する技術が知られていますが、野生下でもこのように突然変異により4倍体が生じることがあるそうです。小笠原の固有種のイチジクの仲間には、その他にオオトキワイヌビワ(2倍体)がありますが、トキワイヌビワとオオトキワイヌビワの両方に受粉するイチジクコバチにより交雑がおこり中間的なタイプがあるという報告があります。
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2021年04月07日

ミディトマト

IMG_6225トマトのマリネ.jpg 甘くて美味しい母島のトマト、皮が薄いミニトマトが人気ですが、ミディトマトの皮を湯剥きして作る「ミディトマトのマリネ」が美味しかったのでご紹介します。@沸騰したお湯にミディトマトを入れる。Aトマトの皮に亀裂ができたら冷水にとって皮を剥く。B市販の合わせ酢(かんたん酢等)にトマトを漬けて3時間〜半日おく。Cお好みでオリーブオイルや粉チーズをふって頂く。すごく簡単で作り置きもできるのでいいですよ!トマトの皮が苦手というかたにもおススメです。
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2021年03月17日

乳房山トレッキング

 母島の3月は内地の5月くらいの気候で、森・山は新緑の季節です。気温もそれほど高くないので、母島のトレッキングのおすすめの時期です。

P1090853乳房山登山口.jpg集落から徒歩で行かれる乳房山は人気のルートですが、2ヵ所の登山口があります。登山口の横に白い建物(浄水所)があるほうが東ルート入口、乳房橋を渡ったところにあるのが西ルート入口ですが、東ルート入口からは途中が通行止めのため山頂には行かれません。理由は山頂に向かう途中の尾根が崩れていて危険なためですが、ルート入口の外来種除去装置の上部にもお知らせがあります。また、西ルートから登頂した場合も、東ルートで下山することはできませんので、ご注意ください。ルートの復旧はまだ調査段階で以前のように周回できるようになるまでは時間がかかりそうです。
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2021年02月19日

逆さ小富士

P1090736逆さ小富士.jpg 先日の内地の爆弾低気圧、凄かったですね。本当に台風なみで、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。母島のほうも影響を受けて、定期船ははじま丸が2日間続けて欠航しています。今日も北西の風が強く、ははじま丸が着岸する沖港周辺もまだまだ波が高い状況です。そんな今日の午前中、小富士に行く仕事があり「逆さ小富士」の写真が撮れました。「逆さ富士」は千円札の画材にもなっていて有名で、富士山が映る湖面の状態がよくないと綺麗に撮影できないそうです。母島の「逆さ小富士」ですが、よく晴れた午前中のタイミングに南崎海岸方面を向いて撮影すると綺麗な形の「逆さ小富士」が撮れます。是非、チャレンジしてみてください。
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2021年01月26日

シマクワズイモの花

 IMG_6521シマクワズイモ(ククラタ)の花.jpg母島の集落内では河川の中や付近でよく見かける、大きなハート型の葉の植物:シマクワズイモ(サトイモ科)の花です。こうした花を肉穂花序といいますが、なんとも不思議な形です。同じような花を付ける母島の植物では、モンステラやミズイモタイモ)があります。モンステラの実やミズイモの根茎は食用になり、母島でも利用されています。しかし、ミズイモとよく似た葉の形のクワズイモ属の植物には食毒があり、間違って食べた人の話ではもの凄く口中が痺れるそうです。ミズイモとシマクワズイモはよく見ると葉脈のはしりかたがまるで違うのですが、似たような環境で生育しているので注意が必要です。そんなシマクワズイモは15℃以上の気温があれば室内での栽培にも向いていて、観葉植物として人気があるそうです。

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2021年01月18日

森の癒し効果

IMG_2334シマオオタニワタリ (2).jpg最近読んだジャーナルに「森の癒し効果」について生理的・心理的効果の差異をまとめたものがあり、面白かったので紹介します。身近な緑地として、マテバシイ林とクロマツ林・海岸等を散策して、ストレスホルモンの変化や景観から受ける印象を評価した調査の結果でしたが、都市公園との散策に比べてどの森林にも気分をリラックスさせ緊張を和らげる効果があるものの、暗く閉鎖的なマテバシイ林より、クロマツ林と海岸のほうがストレスホルモンも低下し、生理的にリラックスするという調査結果でした。これを読みながら、母島の大型シダの森ではどんな結果がでるだろう?と試してみたい気持ちになりました。


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2021年01月04日

シャリンバイ(車輪梅)

P1080909シャリンバイ.jpg 新春の乳房山を歩いてきました。12月中に雨が多かったこともあり森全体がしっとりしていて、シダやコケの状態が例年の4月くらいの印象を受けました。開花中の植物はテリハハマボウ、オガサワラグミ、セイロンベンケイ、ムニンシュスラン、シャリンバイ等でした。特に尾根筋の見晴らしがよい場所では低木のシャリンバイがたくさん花を付けていて、背景の青い海によく映えて見飽きませんでした。シャリンバイ(車輪梅)ですが、花は梅に似て、枝先に車輪状に花を付けます。沖縄や奄美諸島でもそれぞれ島名があるシャリンバイですが、小笠原ではaxeshandleが由来といわれている「サンドロ」という島名があり、戦前は斧の柄や太鼓のバチに使用されていました。また、堅く火持ちがよいことから鰹節を製造するときに薪としても利用されたそうです。
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2020年12月17日

レモン仕事

P1080600.jpg 12月上旬の雨の日々から解放され、やっと小さな庭の手入れなどできるようになりました。今年はシークワーサーが我が家は裏年のようであまり収穫てきなかったのですが、小さなレモンの木からは例年並みに収穫できたので塩レモンを仕込みました。小さくてもレモンの木が1本あるとジャムにしたりジュースにしたり色々楽しめます。2年前に母島のラム酒でレモンを漬けて「レモン酒」を仕込んだのですが、まだ美味しく戴けます。その空き容器を利用して作った塩レモン、外見はレモン酒を仕込んだ時とそっくり。間違えて飲まないよう自分に言い聞かせています。
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2020年12月13日

日の出

DSCN0079日の出.jpg 相変わらず雨続きの母島ですが、今朝はいつになくよく晴れて素晴らしい日の出が見られました。12月12日の今日の母島の日の出時刻は6:11頃でした。これから日の出時刻は少しづつ遅くなり、大晦日には6:20頃になります。同じような南の島の石垣島ですが、東経124度09分22秒で母島より西に位置するため、今日の日の出時刻は7:17と1時間以上も遅く、日の入り時刻は17:57です。南北に長い日本ですが、東西でもかなり差があるのが分かりますね。明日の朝も綺麗な日の出を見るために早起きしようと思います。
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2020年12月02日

年間降水量

 IMG_6461.jpg今年の11月は本当に雨が多い月でした。一番降った日は25日の98.5oの降水量で、10分間で9oも降った時間帯がありました(気象庁:過去の気象データ検索)。世界的な気候変動について、年平均気温の上昇や旱魃や豪雨などが報じられると、母島のことも気になり少し調べてみました。2018年は記録的な旱魃の年でしたが、母島の年間降水量は576.5oで、翌年の大型台風があった2019年は1385.5oでした。この2年間ではなんと、2.4倍も差があることが分かり驚きました。そして2020年ですが、6月〜10月までは前年に比べると雨量が少なかったものの、11月の降水量が380.5oだったことで一気に前年の年間降水量を追い抜き、20201月〜11月の降水量は1422oとなりました。いつもの時期なら母島はジャガイモの植え付けをする頃なのですが、こう雨が多いと種イモが痛んでしまいますね。森のシダは雨に濡れて美しいのですが…。

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2020年10月30日

サンゴの白化

IMG_6147サンゴの白化.jpg 昨年の今頃は台風21号の後片付けで大わらわでしたが、今年ほど母島に台風が来ない年も珍しいのでは?と思いながら過ごしています。台風が来ないのはいいことなのですが、海水がかき回されない状態で海水温が高い日が続き、造礁サンゴが多い母島の「北港」「椰子浜・桐浜」「御幸之浜・南京浜」などではサンゴが広範囲に白化しています。褐虫藻が抜けて骨格だけになったサンゴは白く、写真に撮ると綺麗にもみえるのですが、うーん、元の状態に戻るのには何年かかるのかな?と思ってしまいます。サンゴの白化、これ以上進まないといいですね。
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2020年10月17日

ムニンシュスラン

DSCN0094ムニンシュスラン.jpg 今年は母島への台風の到来が今のところなく、このまま今年の台風シーズンが過ぎてくれることを願うこの頃です。10月中盤になるとオガサワラゼミの鳴き声も徐々に少なくなり、堺ヶ岳や乳房山、桑ノ木山ではムニンシュスランが咲き始めました。長い期間に渡って開花するムニンシュスラン(無人繻子蘭)は、森の花が少なくなる晩秋から初冬に私たちの目を楽しませてくれます。小さな花序で清楚な姿ですが、まとまって咲くと見ごたえがあり写真映えするランです。
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2020年10月02日

見る角度によっては・・・。

DSCN0077タコノキの実.jpg 森の中で時々妙に惹きつけられる形のものにであうことがあります。昨日は大沢遊歩道を歩いていて、足元に転がっていたタコノキの実にグッと惹きつけられてしまいました。どのタコノキの実もネズミによる食痕があるものでしたが、それぞれ個性的で見る角度によって色々な形に見えてきました。ムンクの叫びに似ているもの、もののけ姫の乙事主(おっことぬし)に似ているもの、イメージが少しホラーなのは、道中どこまでも続くポトスの森を一人で歩いてきたからかも知れません。タコノキの実は集落内では鮫ヶ崎遊歩道などにも落ちています。お気に入りの面白い形のものを探してみてください。
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2020年09月23日

モモタマナの花

DSCN0024モモタマナ花と実.jpg 母島の沖港から近い「鮫ヶ崎遊歩道」では、モモタマナの花が開花中です。桃の種を思わせるような実の形からは想像できないような、小さな金平糖のようなクリーム色の小花を付けます。早朝に散歩がてら鮫ヶ崎遊歩道を歩くと、パラパラとまるで雨が降っているかのようにモモタマナの花が上から落ちてきます。外国では「シーアーモンド」ともよばれるこの植物ですが、小笠原では割と少ない落葉樹のひとつで、大きな葉が赤くなって遊歩道に落ちる頃は赤い絨毯を敷き詰めたようになります。秋のお彼岸頃から鮫ヶ崎展望台から夕日が見えるようになりますので、お勧めの散歩道です。
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2020年09月16日

海に架かる虹

DSCN0102海に架かる虹.jpg まるで夏の始まりのように最近よくスコールがある母島ですが、今日は石門からの帰り道で大きな虹が!空が急に暗くなり涼しい風が吹き始め「来るぞ、来るぞ!!」と思っていたところ案の定の土砂降りに。見ている間にどんどん色が濃くなっていく虹は本当に綺麗でした。虹の根元には宝物が眠っているというけれど、海に架かる虹の根元には何が埋まっているのでしょうね。
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2020年09月10日

オガサワラゼミ

オガサワラゼミ.jpg 9月に入り朝夜は少し涼しく感じる日が多くなりましたが、母島にはこの季節を感じさせてくれる昆虫がいます。それはオガサワラゼミという天然記念物のセミです。今年のオガサワラゼミは8月末くらいから桑ノ木山で鳴き声を聞くようになりましたが、9月に入ると母島北部を中心に沖港付近の集落でも鳴き声が聞かれるようになり、秋が訪れたことを感じさせてくれます。グリーンアノールの増加で個体数が少なくなったと言われていますが、1980年代以前は母島の神社のお祭りのときなど祭り提灯の中にたくさんのオガサワラゼミが入ったそうです。羽化する時間帯が夜なので明るい提灯に集まってしまったのでしょうか。オガサワラゼミはツクツクボウシの仲間ですが鳴き声はあまり似ていません。鳴き声の最後のフレーズがしゃっくりをしているようで微笑ましく感じます。
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2020年08月11日

ムニンセンニンソウ

IMG_6385ムニンセンニンソウ.jpg 7月末頃から夏の青空が曇って見える母島ですが、西之島の噴煙の影響か?と仕事仲間と話題にしています。いつもは父島まで見渡せる母島第二位の標高の堺ヶ岳からも、母島から一番近い無人島の向島が薄ぼんやりとかすんで見えていました。そんな堺ヶ岳で今見頃を迎えているのがムニンセンニンソウです。キンポウゲ科の固有種でクレマチスの仲間ですが、花弁のようにみえるのは萼片です。これから北進線沿いでも見頃を迎えます。
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2020年06月26日

アコウザンショウ

 DSCN0013アコウザンショウ.jpg母島は例年よりも少し早く雨季が終わり、本格的な夏の始まりを感じています。母島の森では昨年の10月の台風21号後の影響を受けてか、なんと1月にヒメツバキが満開になりましたが、再び6月にも見事に開花し私たちの目を楽しませてくれています。そんな森歩きで気を付けて欲しいのがこの「アコウザンショウ」です。ミカン科の固有植物で近縁種として本州にはカラスザンショウがありますが、アコウザンショウの幼木には葉柄や茎に浅い棘があり、棘で皮膚を傷つけるとかぶれたり水疱ができることがあります。観光自粛期間には私は森林保全の仕事をしていましたが、今年はこの植物が多くずいぶんやられました。石門や乳房山に多い植物なので、長袖や手袋着用で気を付けてくださいね。

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2020年04月28日

メグロの巣作り

DSCN0010蛹のマユをほぐすメグロ.jpg 母島はそろそろ雨季に入るようで、今週から雨マークの予報が多くなりました。季節は春から初夏に向かい、鳥たちは繁殖期の真っ最中です。まだ暗いうちからイソヒヨドリの雄が張り切って鳴き始め、鰹鳥島には多くのカツオドリが営巣のため飛来しています。母島の固有種の鳥「メグロ」も、先日は蛾の繭を一生懸命にほぐしていて、蛹を食べるためなのかと観察していたところ、巣材としてほぐした繭を運んでいきました。メグロの巣材はオガサワラビロウの幹の繊維やスゲなど細長い枯葉を使ってあることが多く、時には他の鳥が作った巣を壊して巣材を運んでいるチャッカリさんもいます。
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2020年03月17日

オカヤドカリ殻交換?

 IMG_6247オカヤドカリ殻交換.jpg昨日の南崎ハイキングの途中で見かけた光景ですが、オカヤドカリの殻交換のようです。国指定天然記念物になっているオカヤドカリは、しばしば外来種のアフリカマイマイの貝殻に入っていますが、画像の体が大きいほうのオカヤドカリの貝殻は壊れていて、近くにいた小さいほうのオカヤドカリの貝殻を奪ったようです。最初は雄雌の繁殖行動の途中かな?と思ったのですが、貝殻が壊れているので殻交換なのではと思いました。手頃な貝殻がないときにはこうして貝殻を奪うことがあるそうです。奪われたほうはいい迷惑ですね。

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