ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2020年10月30日

サンゴの白化

IMG_6147サンゴの白化.jpg 昨年の今頃は台風21号の後片付けで大わらわでしたが、今年ほど母島に台風が来ない年も珍しいのでは?と思いながら過ごしています。台風が来ないのはいいことなのですが、海水がかき回されない状態で海水温が高い日が続き、造礁サンゴが多い母島の「北港」「椰子浜・桐浜」「御幸之浜・南京浜」などではサンゴが広範囲に白化しています。褐虫藻が抜けて骨格だけになったサンゴは白く、写真に撮ると綺麗にもみえるのですが、うーん、元の状態に戻るのには何年かかるのかな?と思ってしまいます。サンゴの白化、これ以上進まないといいですね。
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2020年10月17日

ムニンシュスラン

DSCN0094ムニンシュスラン.jpg 今年は母島への台風の到来が今のところなく、このまま今年の台風シーズンが過ぎてくれることを願うこの頃です。10月中盤になるとオガサワラゼミの鳴き声も徐々に少なくなり、堺ヶ岳や乳房山、桑ノ木山ではムニンシュスランが咲き始めました。長い期間に渡って開花するムニンシュスラン(無人繻子蘭)は、森の花が少なくなる晩秋から初冬に私たちの目を楽しませてくれます。小さな花序で清楚な姿ですが、まとまって咲くと見ごたえがあり写真映えするランです。
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2020年10月02日

見る角度によっては・・・。

DSCN0077タコノキの実.jpg 森の中で時々妙に惹きつけられる形のものにであうことがあります。昨日は大沢遊歩道を歩いていて、足元に転がっていたタコノキの実にグッと惹きつけられてしまいました。どのタコノキの実もネズミによる食痕があるものでしたが、それぞれ個性的で見る角度によって色々な形に見えてきました。ムンクの叫びに似ているもの、もののけ姫の乙事主(おっことぬし)に似ているもの、イメージが少しホラーなのは、道中どこまでも続くポトスの森を一人で歩いてきたからかも知れません。タコノキの実は集落内では鮫ヶ崎遊歩道などにも落ちています。お気に入りの面白い形のものを探してみてください。
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2020年09月23日

モモタマナの花

DSCN0024モモタマナ花と実.jpg 母島の沖港から近い「鮫ヶ崎遊歩道」では、モモタマナの花が開花中です。桃の種を思わせるような実の形からは想像できないような、小さな金平糖のようなクリーム色の小花を付けます。早朝に散歩がてら鮫ヶ崎遊歩道を歩くと、パラパラとまるで雨が降っているかのようにモモタマナの花が上から落ちてきます。外国では「シーアーモンド」ともよばれるこの植物ですが、小笠原では割と少ない落葉樹のひとつで、大きな葉が赤くなって遊歩道に落ちる頃は赤い絨毯を敷き詰めたようになります。秋のお彼岸頃から鮫ヶ崎展望台から夕日が見えるようになりますので、お勧めの散歩道です。
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2020年09月16日

海に架かる虹

DSCN0102海に架かる虹.jpg まるで夏の始まりのように最近よくスコールがある母島ですが、今日は石門からの帰り道で大きな虹が!空が急に暗くなり涼しい風が吹き始め「来るぞ、来るぞ!!」と思っていたところ案の定の土砂降りに。見ている間にどんどん色が濃くなっていく虹は本当に綺麗でした。虹の根元には宝物が眠っているというけれど、海に架かる虹の根元には何が埋まっているのでしょうね。
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2020年09月10日

オガサワラゼミ

オガサワラゼミ.jpg 9月に入り朝夜は少し涼しく感じる日が多くなりましたが、母島にはこの季節を感じさせてくれる昆虫がいます。それはオガサワラゼミという天然記念物のセミです。今年のオガサワラゼミは8月末くらいから桑ノ木山で鳴き声を聞くようになりましたが、9月に入ると母島北部を中心に沖港付近の集落でも鳴き声が聞かれるようになり、秋が訪れたことを感じさせてくれます。グリーンアノールの増加で個体数が少なくなったと言われていますが、1980年代以前は母島の神社のお祭りのときなど祭り提灯の中にたくさんのオガサワラゼミが入ったそうです。羽化する時間帯が夜なので明るい提灯に集まってしまったのでしょうか。オガサワラゼミはツクツクボウシの仲間ですが鳴き声はあまり似ていません。鳴き声の最後のフレーズがしゃっくりをしているようで微笑ましく感じます。
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2020年08月11日

ムニンセンニンソウ

IMG_6385ムニンセンニンソウ.jpg 7月末頃から夏の青空が曇って見える母島ですが、西之島の噴煙の影響か?と仕事仲間と話題にしています。いつもは父島まで見渡せる母島第二位の標高の堺ヶ岳からも、母島から一番近い無人島の向島が薄ぼんやりとかすんで見えていました。そんな堺ヶ岳で今見頃を迎えているのがムニンセンニンソウです。キンポウゲ科の固有種でクレマチスの仲間ですが、花弁のようにみえるのは萼片です。これから北進線沿いでも見頃を迎えます。
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2020年06月26日

アコウザンショウ

 DSCN0013アコウザンショウ.jpg母島は例年よりも少し早く雨季が終わり、本格的な夏の始まりを感じています。母島の森では昨年の10月の台風21号後の影響を受けてか、なんと1月にヒメツバキが満開になりましたが、再び6月にも見事に開花し私たちの目を楽しませてくれています。そんな森歩きで気を付けて欲しいのがこの「アコウザンショウ」です。ミカン科の固有植物で近縁種として本州にはカラスザンショウがありますが、アコウザンショウの幼木には葉柄や茎に浅い棘があり、棘で皮膚を傷つけるとかぶれたり水疱ができることがあります。観光自粛期間には私は森林保全の仕事をしていましたが、今年はこの植物が多くずいぶんやられました。石門や乳房山に多い植物なので、長袖や手袋着用で気を付けてくださいね。

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2020年04月28日

メグロの巣作り

DSCN0010蛹のマユをほぐすメグロ.jpg 母島はそろそろ雨季に入るようで、今週から雨マークの予報が多くなりました。季節は春から初夏に向かい、鳥たちは繁殖期の真っ最中です。まだ暗いうちからイソヒヨドリの雄が張り切って鳴き始め、鰹鳥島には多くのカツオドリが営巣のため飛来しています。母島の固有種の鳥「メグロ」も、先日は蛾の繭を一生懸命にほぐしていて、蛹を食べるためなのかと観察していたところ、巣材としてほぐした繭を運んでいきました。メグロの巣材はオガサワラビロウの幹の繊維やスゲなど細長い枯葉を使ってあることが多く、時には他の鳥が作った巣を壊して巣材を運んでいるチャッカリさんもいます。
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2020年03月17日

オカヤドカリ殻交換?

 IMG_6247オカヤドカリ殻交換.jpg昨日の南崎ハイキングの途中で見かけた光景ですが、オカヤドカリの殻交換のようです。国指定天然記念物になっているオカヤドカリは、しばしば外来種のアフリカマイマイの貝殻に入っていますが、画像の体が大きいほうのオカヤドカリの貝殻は壊れていて、近くにいた小さいほうのオカヤドカリの貝殻を奪ったようです。最初は雄雌の繁殖行動の途中かな?と思ったのですが、貝殻が壊れているので殻交換なのではと思いました。手頃な貝殻がないときにはこうして貝殻を奪うことがあるそうです。奪われたほうはいい迷惑ですね。

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2020年03月13日

ホッピングスタンプラリー

IMG_6239ホッピングスタンプラリー.jpg 東京の島々を巡る「ホッピングスタンプラリー」が2020229日から始まりました。対象になっている伊豆諸島と父島・母島などのチェックポイントに着いたら、スマホのGPSアプリ機能を利用してチェックインすると、スマホ画面でスタンプが入手できる仕組みだそうです。そして、取得したスタンプの画面を提示すると各島の缶バッジ交換場所で記念缶バッジがもらえます。母島の場合は、チェックポイントは乳房山、缶バッジ交換場所は母島観光協会です。事前にヤマスタアプリをスマホにインストールする必要がありますが、沖港船客待合所でフリーWi-Fiが使えます。母島観光の記念にいかがでしょうか。

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2020年02月21日

北港の謎のシート

IMG_6948北港防草シート.jpg 母島の島内観光の定番の[北港(きたこう)」は北部の静かな入り江です。昭和19年の強制疎開までは600名以上の人が生活していた北村がありました。そのため、北港周辺には過去に栽培していた植物が野生化していて、衣舘川付近から北港の海岸部にかけては特にシュロガヤツリというカヤツリグサの仲間が群生しています。昨日北港に行ったところ謎のシートが出現していました。最近シュロガヤツリを除去して、芽が出ないように遮光シートを掛けてあるのだそうです。昨日は北風がやや強く北港に長くいると少し肌寒かったです。ご旅行にいらっしゃる際は重ね着で調整してくださいね。
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2019年12月29日

小富士山頂から初日の出

IMG_6942小富士山頂から日の出.jpg 残すところ今年もわずか。振り返ると一番印象に残ったのが10月の大型台風の被害でした。台風21号の影響で傷んだ樹木も新芽が芽吹き徐々に回復してきているのを見ると、自然の逞しさに励まされます。そんな母島の森を歩き、小富士山頂から初日の出を見る母島観光協会主催のハイキングが元旦早朝に催されます。姪島の近くの水平線から昇る初日の出に元気をもらいましょう!日の出の時刻は6:20くらい、日の出時刻の気温は19〜20℃前後です。風が吹くと寒く、また現在の予報では雨も予想されるため、防寒着を兼ねたレインウエアを用意したほうが良さそうです。どうか晴れますように!!
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2019年11月21日

シマホルトノキとメグロ

P1060592シマホルトノキとメグロ.jpg 母島をメチャメチャにした台風21号通過からそろそろ1ヶ月が経とうとしています。台風直後には母島の森・山ではたくさんの倒木が発生して、どの遊歩道も通行止めになりましたが、東京都レンジャーや地元の建設業者の皆さまのお陰でほぼ全てのルートが開通しました。台風後2週間くらいから強い潮風の影響で木々の落葉が目立ちましたが、1ヵ月を待たずに木々も芽吹いてきて、自然の力強さを感じる一方で、石門では見ごたえがあるウドノキの大木をはじめ、シマホルトノキやアカテツ等が根元から倒れてしまい、再生が難しいものもありとても残念に思っています。画像はシマホルトノキの実を食べるメグロです。メグロは森林ではガやクモなどを食べていることが多いのですが、一時的にそれらが減ってしまっているのか、シマホルトノキの実を樹上採食していました。アカガシラカラスバトは台風後どこに行っているのか限られた場所でしか見かけません。台風後の母島の森林の変化を注意深く見守っていく必要を感じています。

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2019年10月19日

船木山の滝

DSCN0137船木山の滝.jpg 台風19号後、日本各地から被災の状況が報道されていて心が痛みます。台風19号は母島から450q以上離れて通りましたが、それでもかなりの風雨でした。台風後は母島の森が長時間吹いた潮風で傷み、木々の葉が茶色くなって徐々に落葉してきました。台風後各所のルートチェックに歩いていますが、いつもは水流がない「船木山の滝」がみごとな滝になっていました。この周辺は年間通して気温が低く、戦前はこのあたりで白菜を作ったところよく作物ができたそうです。現在では近くにコーヒーが何株か育っていて、シマホルトノキやオガサワラリュウビンタイ等が自生して湿性高木林の雰囲気を醸しだしています。近くにはベンチがあり、ゆっくり休憩していると滝つぼを利用する鳥を観察することもできました。

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2019年10月10日

ゴールデンシャワー

DSCN0045ゴールデンシャワーの花.jpg
 母島の北進線の蝙蝠谷付近には、ゴールデンシャワー(ナンバンサイカチ)が開花中で、車で通るたびチラ見していますが、黄色い花は見る人の気持ちを明るくしてくれる気がします。花をよく見ると、花色が薄い黄色から濃い黄色へとグラデーションがかかっていて、天然記念物のオガサワラクマバチが蜜を求めてよくやって来ています。低い位置にも花が咲いているので、オガサワラクマバチの写真も撮りやすいですよ。また、ゴールデンシャワーの木の下には昨年咲いたあとにできた沢山の実が落ちていますが、とても長く堅い鞘なので私は肩たたきに使っています。鞘の中には大きな種子が入っていますが、小笠原では特に利用はしていません。ゴールデンシャワーはタイの国花だとか。日本では沖縄や奄美などの南の地方にも生育しているそうです。
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2019年09月21日

ハマゴウ

P1060516ハマゴウ雄さん海岸.jpg 母島の海岸付近を歩いていると、砂地などに這うようにして生育しているハマゴウを見かけます。日本では本州・四国・九州・沖縄等に分布し、漢字では浜拷や浜香と表記されますが、これはハマゴウが持つ清涼感がある香りに由来するようです。葉を手で軽く握りしめるとオレガノによく似た香りがします。果実には薬効があり乾燥させて漢方薬に配合されるそうですが、茎や葉をいぶして蚊よけに使う地方や、枕に入れて安眠効果を利用する地方など、日本各地で利用しているようです。小笠原でも戦前は何かに利用されていたのでは?と想像しています。ガイドツアーでは、ハマゴウの葉に触れて爽やかな香りを楽しんで頂いています。
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2019年08月22日

ハート型の夕日

IMG_4808ハート型の夕日.jpg 長引いた台風10号の後、母島は急に秋らしくなってきました。朝夕の風が涼しくなり、夕方の太陽の光も黄金色。もう何度かまた真夏に逆戻りする日があると思いますが、早い秋の訪れを感じています。先日は観光PRの撮影のエスコートの仕事があり、

夕日の撮影でサンセットシアターで夕日待ちをしました。途中までは雲がなく、今日はグリーンフラッシュかな?と期待したのですが、水平線が薄い雲に覆われてじんわりと夕日が沈みました。でも、見てください!沈む途中で夕日がハート型になりました。こんな写真が撮れたのは初めてです。

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2019年07月08日

夏の日の出ポイント

DSCN0002裏南京からの日の出.jpg すっかり真夏になった母島では毎日暑い日が続いています。と言っても、暑い日の最高気温は31℃ほどで、都会の最高気温よりも低いくらいです。日中でも日陰に入ると涼しい風が吹き、そんなときに小さな幸せを感じます。夏の時期、私が好きな時間帯は日の出のとき。鳥のざわめきが響く中、見晴らしがいい場所で見る日の出は格別です。 バイクや車で行くなら東港展望台がお勧めです。ガイドと一緒なら裏南京からの日の出も綺麗ですよ!

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2019年05月23日

擂鉢休憩所

IMG_4216南崎擂鉢.jpg大型連休後半から雨が降る日が増えた母島です。母島南部の「南崎遊歩道」は往復約4qのハイキングコースですが、遊歩道というと上高地の大正池のあたりの木道のようなイメージを持つかたが多いと思いますが、南崎遊歩道は赤土の路面で階段あり梯子ありのコースです。観光のかたから「遊歩道って書いてあるけどジャングルですね!」と言われることも多く、4qも歩くことですし、5〜6月の雨後で路面がぬかるんでいる時は滑りにくいシューズがいいのではと思います。南崎遊歩道には水はけが悪い場所もあり、所々に近自然工法による木道なども設置してあります。擂鉢休憩所も、雨後は水が溜まり休憩できない場所でしたが、都レンジャーの皆さんが木道を設置してくださいました。利用者が多く休憩する地点なので助かります。ありがとうございました!
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