
乳房山や石門を歩いていると、地面に白く小さな花が一面に落ちていることがあります。取り上げて花の香りを嗅いでみると爽やかなジャスミンに似た香りがします。オガサワラボチョウジ(小笠原母丁子)の花ですが、毎年6月頃から開花し、10月になった今もまだ蕾を付けている木があり、開花期が長い樹木と言えそうです。絶滅危惧U類の樹木のオガサワラボチョウジには南西諸島に近縁の樹木があります。ボチョウジとナガミボチョウジですが、南西諸島ではともに森林の低木層に見られる樹木です。一方のオガサワラボチョウジは、やや湿度が高い環境に生育し石門では亜高木層に見られ、実の形はやや長細くオリーブのような形をしています。名前の由来のチョウジ(丁子)とは香辛料のクローブのことですが、蕾の状態を見るとオガサワラボチョウジとチョウジは似ているような気がします。ちなみにチョウジはフトモモ科で、オガサワラボチョウジはアカネ科の樹木です。台風15号の後には花がたくさん落ちているかも知れません。散策の際に探してみてください。