
5月の万年青橋ではヒメツバキが見頃になってきました。小笠原の初夏の森を彩るヒメツバキの花は、小笠原村の花に指定されています。農耕地の跡などにはまとまって生育していて、樹高は20m近くなるものもあり、ヒメという命名は花が小ぶりだからかと思っています。『小笠原植物図譜』によると樹皮に含まれる成分が魚毒漁に使用されていたそうです。魚毒漁は樹皮を砕いて海にまき浮いた魚を獲る漁法で、戦前の日本各地で行われていましたが、現在では法律で禁止されています。南西諸島のイジュをヒメツバキの同種とする見解もあるようで、イジュも同じように魚毒漁に使用されていた植物だそうです。