
母島の森や集落を歩いていると大きなセンダンの木に出会うことがあります。土壌水分量が豊富な母島ではセンダンはかなりの大木になり、特に石門では樹高20mくらいのセンダンに出会うこともあります。ところで「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」という諺がありますが、ツアー中にセンダンに出会うとこの諺を思い出されるゲストが多く、そういえば子どもの頃に学校に大きなセンダンの木があったという話になり「センダンにはよい香りがあるのですか?」という質問をされることがあります。残念ながら実際にはセンダンの木には香りはありません。仏教の儀式等で使われる白檀(びゃくだん)がインドから中国に伝わり栴檀とも呼ばれるようになり「大成する人は幼い頃から優れている」という意味の諺に准えて明治時代頃からセンダンが日本各地の学校に植えられるようになったようです。画像は小富士山頂に自生するセンダンですが、初夏に咲く花にはほのかな香りがあり心地よい香りに癒されます。