
10月末から何度か大雨に見舞われている母島ですが、こうして少しづつ秋の終わりに向かっているのを感じます。亜熱帯の常夏の島と謳われるものの、住んでいる者ならではの季節感があり、そのひとつがムロアジです。この季節のムロアジは丸々と太っていて、脂ののりもよく内地の感覚でいうと秋のサンマさながらです。小笠原の魚の刺身の食べ方でかかせないのが小粒の青唐辛子ですが、醤油皿に乗せた青唐辛子を箸で崩しながら、ムロアジの刺身を頬張る至福のひととき、そこに母島の秋を感じます。昭和の時代には棒受け網漁で沢山のムロアジが捕獲され、母島でもクサヤ作りがおこなわれていましたが、平成の始めにクサヤ作りも終わり、先日漁協売店で久々にムロアジの販売を見たときには懐かしさを感じました。味噌と一緒にたたきにしてもとても美味しいです。ご旅行の際に夕食で提供されたらラッキーと思ってくださいね。