
梅雨明けした母島は毎日暑い日が続いて、日陰に入るとホッとした思いがします。そして森の中の半日陰でひっそりと咲いているのが画像のシマクマタケラン(絶滅危惧U類)です。シマクマタケランはショウガ科の植物で、母島のあちこちで見かけるゲットウ(月桃)によく似た葉を付けていますが、ゲットウは母島で製糖業が盛んだった戦前に移入された外来種で、畑や製糖場の近くに植えられた植物です。シマクマタケランの近縁種にはアオノクマタケランがあり、紀伊半島・伊豆諸島・南西諸島などに自生していますが、本当によく似た花を付けています。少しの違いは、白い花弁の中心にある赤い部分が、シマクマタケランは花びらの半分までに対し、アオノクマタケランは花びらの先端まで達しているところです。実が付くとシマクマタケランの実は黄色〜オレンジ色になりますが、アオノクマタケランは赤い実になるそうです。母島のシマクマタケランは少しずつ分布が衰退しているように感じているので、注意深く見守っていきたい植物です。