ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2022年05月16日

ガイドの日記帳 クロツグの花

P1170104クロツグ花.jpg ゴールデンウィーク中は残念ながらお天気がイマイチな日が続きましたが、そんな森や集落で甘い花の香りに気づかれたかたが多かったようです。キンモクセイに似た芳香をはなっていたのはこのクロツグの花です。クロツグはヤシ科の常緑低木で日本では南西諸島に自生し、小笠原では栽培していたものから野生化しているそうです。
幹の上部の葉に接した部分は黒い繊維に覆われていますが、繊維は縄や網などに利用されたとのことです(参考文献:『琉球の樹木』)。沖港周辺では鮫ヶ崎遊歩道や静沢戦跡、月ヶ岡神社などに多く、ちょうど今が花の見頃です。実が付くと赤くなった実をオガサワラヒヨドリが採食するのを見かけるので、鳥散布で増えているものと思います。
posted by 梅野ひろみ | ガイドの日記帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする