
母島の湿性高木林とよばれる森に自生するオオヤマイチジクは樹高8mほどに生長するクワ科の固有植物です。イチジクの仲間には珍しい4倍体のオオヤマイチジクは、画像の左側のトキワイヌビワ(イチジクの一種)の2倍体に比べても葉も実も大きく、また樹高もかなり高くなります。農業では野菜や果物等の大型化をめざして4倍体を培養する技術が知られていますが、野生下でもこのように突然変異により4倍体が生じることがあるそうです。小笠原の固有種のイチジクの仲間には、その他にオオトキワイヌビワ(2倍体)がありますが、トキワイヌビワとオオトキワイヌビワの両方に受粉するイチジクコバチにより交雑がおこり中間的なタイプがあるという報告があります。