
9月に入り朝夜は少し涼しく感じる日が多くなりましたが、母島にはこの季節を感じさせてくれる昆虫がいます。それはオガサワラゼミという天然記念物のセミです。今年のオガサワラゼミは8月末くらいから桑ノ木山で鳴き声を聞くようになりましたが、9月に入ると母島北部を中心に沖港付近の集落でも鳴き声が聞かれるようになり、秋が訪れたことを感じさせてくれます。グリーンアノールの増加で個体数が少なくなったと言われていますが、1980年代以前は母島の神社のお祭りのときなど祭り提灯の中にたくさんのオガサワラゼミが入ったそうです。羽化する時間帯が夜なので明るい提灯に集まってしまったのでしょうか。オガサワラゼミはツクツクボウシの仲間ですが鳴き声はあまり似ていません。鳴き声の最後のフレーズがしゃっくりをしているようで微笑ましく感じます。