ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2017年05月19日

コケの森

P1010384ハート形のコケ.jpg 雨不足の母島でしたが、昨日4:00〜今日5:00までの累加雨量は92o(評議平観測)で、シトシトと長く雨が降ってくれたおかげで母島もだいぶ潤いを取り戻しました。最近は森・山の植物も乾燥でぐったりしていたのですが、今日は元気いっぱいに戻っていることと思います。画像は、2011年に撮影した母島の乳房山に生育する固有種のコケで、ムニンシラガゴケです。乳房山は標高400mあたりから雲霧林になって沢山の貴重なコケが生育していることから、2010年に日本蘚苔類学会から「日本の貴重なコケの森」に選定されています。画像のハート型のムニンシラガゴケも、6年が経ち今ではだいぶ密な状態のコケになってきました。是非、母島のコケの森に癒されに来てください。
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2017年05月12日

カクレイワガニ

DSCN6314カクレイワガニ.jpgゴールデンウィーク後半から急に気温が高くなり、母島に一気に夏がやってきた気がしています。例年なら今頃は雨期で、内地の梅雨のように雨が降りやすい季節なのですが。水不足はいつになったら解消されるのでしょうか・・・。さて、そんな最近の母島ですが、気温も低く散歩が快適な早朝に森を歩いていると、ゴソゴソと音がすることがあります。周囲を見回すと、地面の上にはポコポコと空いた小さな穴が。何の穴でしょう?ネズミ?モグラ?残念ながら両方ともはずれです。穴から出入りしているのは、紫色がかった体色の綺麗なカニです。カクレイワガニは、沖縄諸島にも生息している生き物ですが、母島にもたくさんいます。マングローブ林がない母島ですが、割と海岸に近い南崎遊歩道や大沢遊歩道などではカクレイワガニをよく見かけます。ゴソゴソと音がしたら探してみてくださいね。
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2017年04月05日

ロース石

IMG_0078ロース石切り場とロース石.jpg 今朝、乳房山に行くときに「ロース記念館」の前を通ったところ、石切り場周辺がすっきりと刈り払ってあるのに気づきました。以前はポトスやワニグチモダマに被われていたロース石の石切り場ですが、ロース記念館の建物とロース石製品と共に東京都の文化財に指定されています。ロースというのは人の名で、母島の初期開拓者のフレデリック・ロルフスが日本に帰化したあとに名乗った名前だということです。ロース石とは、母島の標高が低いところに多くみられる凝灰岩で、火山灰や砂礫が堆積してできた岩石です。加工しやすい石で、ヨーロッパなどの古い駅舎などにも凝灰岩がよく使われていますが、ロースさんはこの加工しやすい石の使い方を母島に広めたそうで、そのため母島ではこの凝灰岩のことを「ロース石」とよんでいます。ロース記念館内にも、様々に加工されたロース石の製品があるので見学してみてください。
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2017年03月13日

レモンの花

IMG_8645レモンの花.jpg 北港からの帰り道、都道沿いにレモンの花が沢山咲いているところがありました。沈丁花にも似た香りがして、私はレモンの花の香りが大好きです。顔を近づけてよく見たところ、もう柱頭が膨らみ始めていて受粉後なのが分りました。柱頭は雌しべのことですが、レモンの花をよく見ると、黄色い花粉をつけた雄しべが周りをとりまいているのがよく分ります。このような構造の花を両性花といいますが、小笠原の固有植物は雌雄異株で、雌の機能を持った雌花だけ、雄の機能を持った雄花だけの花を付けるものも多いです。両性花のレモンの花ですが、不完全花といって、雌しべが短く雄花の機能しか持たない花もあります。このレモンの花の柱頭はこれからどんどん大きくなり、9月頃には丸々とした美味しいレモンになります。
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2017年02月22日

パンノキ

DSCN5992パンノキ.jpg 先日、北村の小学校跡周辺を歩いたときのことです。森・山ではあまり見かけない植物にであいました。葉は少し深い切れ込みがあり、パパイヤやヤツデに似ています。少し考えて気が付きましたが、よくハワイアンキルトなどのモチーフになっている「パンノキ」ではないかと思いました。パンノキは、ポリネシア原産の植物だそうです。ジャックフルーツやドリアンに少し似た実がつき、実は蒸し焼きや丸焼きなど加熱して食べるそうです。パンノキは、以前の母島小中学校の正門の脇にも一本ありましたが、北村の「大神宮」とよばれる神社跡の近くに大きな木があり、もしかしたらその木が母樹なのかと想像していますが、一体何によって運ばれたのか不思議な気がしています。ガジュマルに負けずに大きくなって、いつか立派な実を付けてくれるといいなぁと思っています。
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2017年01月17日

冬の乳房山

IMG_8389登山道 横.jpg 1月になり、母島も北東風の日が多くなり、島民のあいさつも「今日は寒いね!」という日が多くなりました。と、言っても日中の外気温は18℃以上ありますから、寒いなど言っていては内地の人から呆れられるかも知れませんね。ところでそんな母島ですが、森・山は落葉する樹木が少なく、常緑の広葉樹が多いため、一年を通して緑豊かな森が広がっています。今の時期は岩場にセイロンベンケイが花を咲かせたり、モモタマナの葉が紅葉して一部赤色に染まっていたりもしますが、乳房山登山は標高が高くなるにつれ着生植物などが多く、世界中にここにしかないという固有植物もあり、景色もよいのでみどころが多い山です。暑くないこの時期、冬の乳房山は超奨めです。
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2016年12月28日

赤いドングリ???

IMG_6886クリスマスパーム.jpg 母島に到着すると、海岸にずらっと背が高いヤシが並んでいて「南国に来たのだぁ。」と感じるかたも多いのではないでしょうか?沖港の前浜に並んでいるヤシはココヤシという種類で、図鑑によると1年間で60個以上も実が付くそうです。ココヤシの実は1個の大きさも人の頭ほどあり、とても大きな実です。集落を歩いていると、この他にも沢山の種類のヤシがあるのですが、気付いたかたはいらっしゃるでしょうか?徳利のように、幹の下部が膨らんだ「トックリヤシ」、ちょっと似ているけれども、幹の中間部が膨らんだ「トックリヤシモドキ」、その他に赤いドングリのような実を付けたヤシの木もあります。とてもカラフルな実を付けるこのヤシは「マニラヤシ」別名「クリスマスパーム」とも呼ばれるヤシです。クリスマス頃にクリスマスカラーの実を付けるこのヤシは、すらりとして姿もいいヤシです。集落の散策のときに探してみて下さい。
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2016年12月22日

アフリカフウチョウソウ

DSCN5122アフリカフウチョウソウ.jpg 先日、鳥の調査をしていたときのことです。足元に咲いている可愛らしい薄紫色の花に目がとまりました。私がはじめて見る植物で、豆果や三出複葉の葉のでかたから「マメ科の何かだろうか。」と思い、手持ちの図鑑で調べたのですが、分らず困っていたところ、親切なかたがアフリカフウチョウソウという外来植物だと教えてくださいました。『日本帰化植物写真図鑑第2巻』によると、熱帯アフリカ原産で、東南アジアや熱帯アメリカに広く帰化しているとのことです。日本には1998年に侵入した記録があり、定着してからそう長い年月が経っていないにも関わらず、各地へ分布を広げているようです。ネットで検索したところ、野菜の種を播いたらアフリカフウチョウソウが芽を出したことや、牧草地で広がっているというサイトが目に留まりました。花は少しスミレにも似ていて可愛らしいのですが、匍匐性でどんどん広がりそうです。種はアリに運ばれるようなので、今後広がるかも知れないと思うと少し心配になりました。みつけても庭などに移植しないようにしてください。
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