ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2017年07月05日

アジサイに似た花

IMG_0196アジサイに似ているサンタンカ.jpg 高気圧が張り出し、夏本番の母島です。内地は台風3号と梅雨前線の影響でお天気がすぐれないようですが、アジサイが見頃な季節、名所等にも影響がないといいのですが。さて、母島の集落で年間通して咲いている花ですが、「アジサイに似ている赤やピンクや黄色の花、なんていう花ですか?」とよく名前を質問されます。イクソラとよばれるアカネ科の低木が集落内に何種かあり、サンタンカは特に知名度が高いですが、イクソラの仲間は熱帯を中心に約500属6000種もあるそうです。園芸種としても大変人気があり、色々な栽培名がついています。集落の植物は色とりどりで亜熱帯に来た旅情をかきたてられます。珍しい花を眺めながらの涼しい時間帯のお散歩は、旅のよい思い出になるのではないでしょうか。
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2017年06月01日

夜香木

DSCN6507ヤコウボク.jpg この季節、夕方頃から夜にかけて集落を歩いていると、強い花の香りが漂ってくることがあります。目立たない低木なので、香りの周辺を探しても見つからないことがあるかも知れません。香りの主は夜香木(ヤコウボク)で、英名はナイトジャスミンというそうです。名前があらわすとおり、夜になると香るナス科の低木の樹木です。熱帯地方が原産地の植物ですが、母島でもよく育っており、挿し木で増やせるとのことです。この他にも集落ではクロツグというヤシ科の植物の花も開花中で、キンモクセイに似た香りを漂わせています。クロツグは月ヶ岡神社で開花中ですので、行ってみてください。
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2017年05月19日

コケの森

P1010384ハート形のコケ.jpg 雨不足の母島でしたが、昨日4:00〜今日5:00までの累加雨量は92o(評議平観測)で、シトシトと長く雨が降ってくれたおかげで母島もだいぶ潤いを取り戻しました。最近は森・山の植物も乾燥でぐったりしていたのですが、今日は元気いっぱいに戻っていることと思います。画像は、2011年に撮影した母島の乳房山に生育する固有種のコケで、ムニンシラガゴケです。乳房山は標高400mあたりから雲霧林になって沢山の貴重なコケが生育していることから、2010年に日本蘚苔類学会から「日本の貴重なコケの森」に選定されています。画像のハート型のムニンシラガゴケも、6年が経ち今ではだいぶ密な状態のコケになってきました。是非、母島のコケの森に癒されに来てください。
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2017年05月12日

カクレイワガニ

DSCN6314カクレイワガニ.jpgゴールデンウィーク後半から急に気温が高くなり、母島に一気に夏がやってきた気がしています。例年なら今頃は雨期で、内地の梅雨のように雨が降りやすい季節なのですが。水不足はいつになったら解消されるのでしょうか・・・。さて、そんな最近の母島ですが、気温も低く散歩が快適な早朝に森を歩いていると、ゴソゴソと音がすることがあります。周囲を見回すと、地面の上にはポコポコと空いた小さな穴が。何の穴でしょう?ネズミ?モグラ?残念ながら両方ともはずれです。穴から出入りしているのは、紫色がかった体色の綺麗なカニです。カクレイワガニは、沖縄諸島にも生息している生き物ですが、母島にもたくさんいます。マングローブ林がない母島ですが、割と海岸に近い南崎遊歩道や大沢遊歩道などではカクレイワガニをよく見かけます。ゴソゴソと音がしたら探してみてくださいね。
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2017年04月05日

ロース石

IMG_0078ロース石切り場とロース石.jpg 今朝、乳房山に行くときに「ロース記念館」の前を通ったところ、石切り場周辺がすっきりと刈り払ってあるのに気づきました。以前はポトスやワニグチモダマに被われていたロース石の石切り場ですが、ロース記念館の建物とロース石製品と共に東京都の文化財に指定されています。ロースというのは人の名で、母島の初期開拓者のフレデリック・ロルフスが日本に帰化したあとに名乗った名前だということです。ロース石とは、母島の標高が低いところに多くみられる凝灰岩で、火山灰や砂礫が堆積してできた岩石です。加工しやすい石で、ヨーロッパなどの古い駅舎などにも凝灰岩がよく使われていますが、ロースさんはこの加工しやすい石の使い方を母島に広めたそうで、そのため母島ではこの凝灰岩のことを「ロース石」とよんでいます。ロース記念館内にも、様々に加工されたロース石の製品があるので見学してみてください。
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2017年03月13日

レモンの花

IMG_8645レモンの花.jpg 北港からの帰り道、都道沿いにレモンの花が沢山咲いているところがありました。沈丁花にも似た香りがして、私はレモンの花の香りが大好きです。顔を近づけてよく見たところ、もう柱頭が膨らみ始めていて受粉後なのが分りました。柱頭は雌しべのことですが、レモンの花をよく見ると、黄色い花粉をつけた雄しべが周りをとりまいているのがよく分ります。このような構造の花を両性花といいますが、小笠原の固有植物は雌雄異株で、雌の機能を持った雌花だけ、雄の機能を持った雄花だけの花を付けるものも多いです。両性花のレモンの花ですが、不完全花といって、雌しべが短く雄花の機能しか持たない花もあります。このレモンの花の柱頭はこれからどんどん大きくなり、9月頃には丸々とした美味しいレモンになります。
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2017年02月22日

パンノキ

DSCN5992パンノキ.jpg 先日、北村の小学校跡周辺を歩いたときのことです。森・山ではあまり見かけない植物にであいました。葉は少し深い切れ込みがあり、パパイヤやヤツデに似ています。少し考えて気が付きましたが、よくハワイアンキルトなどのモチーフになっている「パンノキ」ではないかと思いました。パンノキは、ポリネシア原産の植物だそうです。ジャックフルーツやドリアンに少し似た実がつき、実は蒸し焼きや丸焼きなど加熱して食べるそうです。パンノキは、以前の母島小中学校の正門の脇にも一本ありましたが、北村の「大神宮」とよばれる神社跡の近くに大きな木があり、もしかしたらその木が母樹なのかと想像していますが、一体何によって運ばれたのか不思議な気がしています。ガジュマルに負けずに大きくなって、いつか立派な実を付けてくれるといいなぁと思っています。
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2017年01月17日

冬の乳房山

IMG_8389登山道 横.jpg 1月になり、母島も北東風の日が多くなり、島民のあいさつも「今日は寒いね!」という日が多くなりました。と、言っても日中の外気温は18℃以上ありますから、寒いなど言っていては内地の人から呆れられるかも知れませんね。ところでそんな母島ですが、森・山は落葉する樹木が少なく、常緑の広葉樹が多いため、一年を通して緑豊かな森が広がっています。今の時期は岩場にセイロンベンケイが花を咲かせたり、モモタマナの葉が紅葉して一部赤色に染まっていたりもしますが、乳房山登山は標高が高くなるにつれ着生植物などが多く、世界中にここにしかないという固有植物もあり、景色もよいのでみどころが多い山です。暑くないこの時期、冬の乳房山は超奨めです。
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