ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2022年06月23日

ガイドの日記帳 シマクマタケラン

IMG_8356シマクマタケラン.jpg梅雨明けした母島は毎日暑い日が続いて、日陰に入るとホッとした思いがします。そして森の中の半日陰でひっそりと咲いているのが画像のシマクマタケラン(絶滅危惧U類)です。シマクマタケランはショウガ科の植物で、母島のあちこちで見かけるゲットウ(月桃)によく似た葉を付けていますが、ゲットウは母島で製糖業が盛んだった戦前に移入された外来種で、畑や製糖場の近くに植えられた植物です。シマクマタケランの近縁種にはアオノクマタケランがあり、紀伊半島・伊豆諸島・南西諸島などに自生していますが、本当によく似た花を付けています。少しの違いは、白い花弁の中心にある赤い部分が、シマクマタケランは花びらの半分までに対し、アオノクマタケランは花びらの先端まで達しているところです。実が付くとシマクマタケランの実は黄色〜オレンジ色になりますが、アオノクマタケランは赤い実になるそうです。母島のシマクマタケランは少しずつ分布が衰退しているように感じているので、注意深く見守っていきたい植物です。
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2022年06月05日

ガイドの日記帳  路上のアカポッポにご注意ください

P1170420アカガシラカラスバト看板.jpg曇りや小雨が多くジメジメした毎日ですが、早朝から聞こえてくる鳥の声に清々しさを感じています。それは、普段は聞くことがないカッコウやホトトギスの鳴き声が聞こえるからです。これらの夏鳥は渡りの途中の母島で羽休め中のようですが、その鳴き声に耳を傾けると爽やかな高原にいる気分になってきます。さて、母島島内の留鳥ですが、アカガシラカラスバト(愛称アカポッポ)が好物のコブガシを採食するため度々路上に出現中です。都道にハトの標識があるところは過去に出現が多かったところですが、車やバイクで通行の際には路上のアカポッポにどうか十分お気を付けてください。
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2022年05月16日

ガイドの日記帳 クロツグの花

P1170104クロツグ花.jpg ゴールデンウィーク中は残念ながらお天気がイマイチな日が続きましたが、そんな森や集落で甘い花の香りに気づかれたかたが多かったようです。キンモクセイに似た芳香をはなっていたのはこのクロツグの花です。クロツグはヤシ科の常緑低木で日本では南西諸島に自生し、小笠原では栽培していたものから野生化しているそうです。
幹の上部の葉に接した部分は黒い繊維に覆われていますが、繊維は縄や網などに利用されたとのことです(参考文献:『琉球の樹木』)。沖港周辺では鮫ヶ崎遊歩道や静沢戦跡、月ヶ岡神社などに多く、ちょうど今が花の見頃です。実が付くと赤くなった実をオガサワラヒヨドリが採食するのを見かけるので、鳥散布で増えているものと思います。
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2022年04月30日

ガイドの日記帳 乳房山開花情報

P1160704テイカカズラ.jpg 4月中は霧に包まれた日が多かった乳房山ですが、しっとりとした空気に包まれシダやコケが
生き生きとしています。開花中の植物は、シマギョクシンカ、テリハハマボウ、ヒメツバキ、ムニンネズミモチ、テイカカズラ等で、白い色の花が多いです。画像は、西ルートの岩場で開花中のテイカカズラですが、歌人の藤原定家(ふじわらのていか)がこの植物に姿を変え、思いを寄せる人のお墓に絡みついたという伝説があります。
風車のような形の可愛い白い花のテイカカズラにそんな言い伝えがあるなんて意外ですね。また、キョウチクトウ科のテイカカズラの切り口からは乳液がでて触れるとかぶれることもあるそうです。
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2022年03月21日

ガイドの日記帳 レモンの花

IMG_7630レモンの花.jpg母島のこの季節、集落を歩いていると爽やかな香りがどこからともなく漂ってくることに気づきます。周囲を見渡してみると、レモンの木に沢山の花が咲いていて、セイヨウミツバチやメジロやメグロがやってきています。レモンの花は両性花で、ひとつの花に雄しべと雌しべの両方が備わっていて、中央にある雌しべの先端に花粉が受粉するとレモンの実ができます。レモンの花に集まってきている虫や鳥たちが受粉させているのですが、鳥はレモンの花の蜜を得るために激しく花をつつくので、どうかすると花が落ちてしまうことがあります。今年はレモンの花付きがよく鳥に花を落とされても十分収穫が見込まれますが、花が少ない年はちょっとハラハラしますね。
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2022年03月11日

ガイドの日記帳 鳥たちの好物

P1160407鳥たちの好物.jpg暖かい日が続き鳥の行動が活発な毎日ですが、私の自宅近くに沢山の青い色の鳥の糞が落ちるようになりました。この時期にこんな色の植物の実はなんだろうか?と毎日考えていましたが、それは身近なところにありました。イヌホオズキというナス科の草で、パッと見ると黒く見える実を付けていますが、これが青い糞の正体でした。イヌホオズキが群生しているのは集落の山の斜面ですが、ギンネム林だったところを刈り払って落石防止用のネットを張ったところ、今の段階では草地になって沢山の鳥が訪れ、運ばれた糞によってイヌホオズキが群生しその近くには驚いたことにミニトマトも野生化して育っていました。2019年の大型台風の後は、石門にパパイヤの林ができてびっくりしましたが、鳥散布で発生した植物をみると、母島の鳥がどんなものを好んで食べているのかがよく分かりますね。
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2022年03月07日

ガイドの日記帳 母島の秘境

IMG_8413石門カルスト台地.jpg母島の秘境:石門は原生性が高い貴重な地域として、様々なルールを設定して利用さ
れていますが、入林禁止期間が終わり3月1日から利用が再開となりました。2月中に
は近自然工法(林内の石や木を利用して道の補修を行う)による作業が行われ、傷ん
でいた土留めの木を交換したり、崩れていた路肩に石を積むなどして道を修繕し、安
全に歩行できるようになりました。私も2日間作業のお手伝いをしましたが、北海道
から指導に来てくださるかたの技術の高さにいつも感動してしまいます。石門ツアー
に参加されるかたは、是非道の修繕のあとにも注目してみてください。3月の石門は
花の開花等は少なめなのですが、リュウビンタイやシマオオタニワタリなどの大型シ
ダが生き生きとして美しく、気温もまだ低めなので歩きやすい季節です。3月中は一
部利用不可のルートもあるため、全ルートを歩きたいかたは4月がお勧めです。
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2022年02月27日

不思議な青い実

P1160229タビビトノキの実.jpg母島の南進線沿いで見かけるタビビトノキ(旅人木)は、バナナやヤシによく似た葉のゴクラクチョウカ科の植物です。もともと母島に自生するものではなく、マダガスカル原産の外来種で植栽されたものですが、高さ10mほどになりエキゾチックな姿は青空によく映え南国を感じさせてくれます。面白いと思うのはストレチアによく似た花が終わったあとにできる青い膜に包まれた実です。送粉するのは哺乳類だといわれていますが、母島ではオガサワラオオコウモリや鳥などが送粉者なのかも知れません。「種子の宝石」ともいわれるくらい、自然界ではありえないようなブルーの実は、万年青橋のあたりに落ちていることがあります。近くに行かれた時には探してみてください。
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