ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2017年09月21日

乳房山開花状況

DSCN7731シマザクラ.jpg 台風15号後、晴れの日が多くもう一度夏に戻ったかのような母島です。そんな中、母島のあちこちでは天然記念物のオガサワラゼミが鳴いています。最盛期には会話ができないほどのボリュームで鳴くオガサワラゼミですが、今のところチラホラという感じで、10月になっても鳴き声が聞かれるのではないかと思っています。植物の開花状況ですが、乳房山ではシマザクラ(アカネ科)が満開で、蜜を求めてやってくるオガサワラクマバチも観察できます。その他、ムニンセンニンソウ、ムニンシュスラン、ナンバンギセルなども開花中です。ハハジマノボタンの開花はほぼ終わりですが、1~2輪花が残っている枝もあるので、注意して探してみるとみられると思います。旱魃だった影響かワダンノキの開花は今年は少し遅くなるかと思います。まだ暑い時期ですので、十分な飲み物を持って山歩きを楽しんでください。
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2017年09月05日

オガサワラキンハナビラタケ

DSCN7740オガサワラキンハナビラタケ.jpg  長かった台風15号の停滞。母島はその後濃い霧の朝が続きましたが、そんな霧の中で生き生きとしているのが森のキノコたちです。様々な色や形のバリエーションがあるキノコは、ガイドツアー中もゲストから大人気です。ところが、その場では名前が分らないキノコも多く、いつも私が頼りにしているのが「小笠原きのこ小図鑑」です。小笠原野生生物研究会が発行していて、小笠原の森・山でよく見かけるキノコが収録されています。先日みかけた透明感がある黄色のこのキノコは、オガサワラキンハナビラタケ(シロキクラゲ科)のようです。プルプルとした薄い寒天が重なり合ったようなキノコで、まとまって発生することも多く、ユニークな形に見入ってしまいます。霧の森でキノコウォッチングはいかがでしょうか。
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2017年08月01日

台風後の鳥の巣

DSCN7082鳥の巣.jpg 台風5号が通過し、樹木の枝折れや倒木が多かった母島ですが、森・山ではたくさんの鳥の巣が落ちていました。オガサワラビロウの幹の繊維を使って、カップ型の巣を作るのはメジロだそうです。メジロは、樹木の枝先にぶらさかるような吊り巣を作るため、台風の強風で枝が強く揺すぶられると巣が落ちてしまうようです。一方で、固有種のメグロは、樹木の幹と枝が叉になった部分にやや深さがある固定した巣を作るため、台風の強風でも巣が落ちにくいようです。さすが固有種!揺れにくい場所に巣を作るなんて気候に適した生き残り作戦のひとつではないでしょうか。メグロの巣材もオガサワラビロウの繊維を多く使っていて、地面に落ちた巣はパッと見た感じではよく似ていますが、巣の大きさ・形状などでよく見ると違いがあります。また、巣材が豊富に手に入るため、落ちなかった巣も再利用はしないことが多いそうです。
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2017年07月05日

アジサイに似た花

IMG_0196アジサイに似ているサンタンカ.jpg 高気圧が張り出し、夏本番の母島です。内地は台風3号と梅雨前線の影響でお天気がすぐれないようですが、アジサイが見頃な季節、名所等にも影響がないといいのですが。さて、母島の集落で年間通して咲いている花ですが、「アジサイに似ている赤やピンクや黄色の花、なんていう花ですか?」とよく名前を質問されます。イクソラとよばれるアカネ科の低木が集落内に何種かあり、サンタンカは特に知名度が高いですが、イクソラの仲間は熱帯を中心に約500属6000種もあるそうです。園芸種としても大変人気があり、色々な栽培名がついています。集落の植物は色とりどりで亜熱帯に来た旅情をかきたてられます。珍しい花を眺めながらの涼しい時間帯のお散歩は、旅のよい思い出になるのではないでしょうか。
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2017年06月01日

夜香木

DSCN6507ヤコウボク.jpg この季節、夕方頃から夜にかけて集落を歩いていると、強い花の香りが漂ってくることがあります。目立たない低木なので、香りの周辺を探しても見つからないことがあるかも知れません。香りの主は夜香木(ヤコウボク)で、英名はナイトジャスミンというそうです。名前があらわすとおり、夜になると香るナス科の低木の樹木です。熱帯地方が原産地の植物ですが、母島でもよく育っており、挿し木で増やせるとのことです。この他にも集落ではクロツグというヤシ科の植物の花も開花中で、キンモクセイに似た香りを漂わせています。クロツグは月ヶ岡神社で開花中ですので、行ってみてください。
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2017年05月19日

コケの森

P1010384ハート形のコケ.jpg 雨不足の母島でしたが、昨日4:00〜今日5:00までの累加雨量は92o(評議平観測)で、シトシトと長く雨が降ってくれたおかげで母島もだいぶ潤いを取り戻しました。最近は森・山の植物も乾燥でぐったりしていたのですが、今日は元気いっぱいに戻っていることと思います。画像は、2011年に撮影した母島の乳房山に生育する固有種のコケで、ムニンシラガゴケです。乳房山は標高400mあたりから雲霧林になって沢山の貴重なコケが生育していることから、2010年に日本蘚苔類学会から「日本の貴重なコケの森」に選定されています。画像のハート型のムニンシラガゴケも、6年が経ち今ではだいぶ密な状態のコケになってきました。是非、母島のコケの森に癒されに来てください。
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2017年05月12日

カクレイワガニ

DSCN6314カクレイワガニ.jpgゴールデンウィーク後半から急に気温が高くなり、母島に一気に夏がやってきた気がしています。例年なら今頃は雨期で、内地の梅雨のように雨が降りやすい季節なのですが。水不足はいつになったら解消されるのでしょうか・・・。さて、そんな最近の母島ですが、気温も低く散歩が快適な早朝に森を歩いていると、ゴソゴソと音がすることがあります。周囲を見回すと、地面の上にはポコポコと空いた小さな穴が。何の穴でしょう?ネズミ?モグラ?残念ながら両方ともはずれです。穴から出入りしているのは、紫色がかった体色の綺麗なカニです。カクレイワガニは、沖縄諸島にも生息している生き物ですが、母島にもたくさんいます。マングローブ林がない母島ですが、割と海岸に近い南崎遊歩道や大沢遊歩道などではカクレイワガニをよく見かけます。ゴソゴソと音がしたら探してみてくださいね。
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2017年04月05日

ロース石

IMG_0078ロース石切り場とロース石.jpg 今朝、乳房山に行くときに「ロース記念館」の前を通ったところ、石切り場周辺がすっきりと刈り払ってあるのに気づきました。以前はポトスやワニグチモダマに被われていたロース石の石切り場ですが、ロース記念館の建物とロース石製品と共に東京都の文化財に指定されています。ロースというのは人の名で、母島の初期開拓者のフレデリック・ロルフスが日本に帰化したあとに名乗った名前だということです。ロース石とは、母島の標高が低いところに多くみられる凝灰岩で、火山灰や砂礫が堆積してできた岩石です。加工しやすい石で、ヨーロッパなどの古い駅舎などにも凝灰岩がよく使われていますが、ロースさんはこの加工しやすい石の使い方を母島に広めたそうで、そのため母島ではこの凝灰岩のことを「ロース石」とよんでいます。ロース記念館内にも、様々に加工されたロース石の製品があるので見学してみてください。
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