ガイドの日記帳 〜つれづれなるままに〜

小笠原諸島母島のネイチャーガイド、フィールドエスコートhilolo・梅野ひろみが母島の大自然の魅力を紹介しています。

2018年01月21日

ムニンモチの新葉

RIMG3036ムニンモチの新葉.jpg1月中旬は冬とは思えない暖かな日が続いて、こんなときに母島に住んでいる幸せを感じます。母島の植物たちも、日当たりが良い場所では新葉が鮮やかな色で展葉し、目を楽しませてくれています。母島には「ムニンモチ」と「シマモチ」の2種類に分類されているモチノキ科の植物がありますが、最近の研究の成果によると、遺伝解析の結果では両者に遺伝的分化はみられなかったということです(森林総合研究所 森林管理技術-3)。葉の形態で分類すると、乳房山のような標高が高く土壌が湿った地域ではムニンモチが、南崎のような標高が低く土壌がやや乾燥した地域ではシマモチが多いように思います。画像はムニンモチと思われる個体の新葉です。透明感がある紫色で、遠くから見るとまるで花が咲いているように見えます。シマモチは、南崎周辺で花が開花中です。
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2018年01月09日

ハザクラキブシ満開

IMG_1366ハザクラキブシ.jpg雨がちだった12月に比べて、新年になってからはお天気がよい日が続いています。暖かな日が多いからかハザクラキブシも満開になりました。ハザクラキブシは母島の乳房山〜堺ヶ岳の雲霧林に自生するキブシ科の固有種です。近縁種としてナガバキブシ(父島)やハチジョウキブシ(伊豆諸島)などがありますが、こちらは花序の長さは10p前後ほどだそうです。ハザクラキブシは、種名のように葉がサクラの葉に似ていて、花序の長さは30pくらいあるものもあります。このような花序の長さは生育する環境に適応したためだと考えられており、母島の雲霧林のような湿潤な森では画像のようなみごとな花をみることができるのです。
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2017年12月21日

オガサワラグミ

RIMG2278オガサワラグミ.jpg先日母島に来島されたかたから「ははじま丸を降りた瞬間に甘い花の香りがしたんですが、何の花ですか?」と質問されました。クロツグというヤシ科の植物はキンモクセイのような甘い香りがしますが初夏頃の花ですし、甘い花の香りについてはすぐに答えられませんでした。その会話から少したってから山を歩いていて、森全体に甘い香りが充満しているのに気づきました。その正体はオガサワラグミでした。例年では1月頃が花の時期と記憶していましたが、今年は少し早く開花したようです。葉の裏が銀色の蔓性の植物で、クリスマス頃にはこの蔓を使ってリースを編む人もいます。実は3月頃には赤く色づき、食用になります。メグロなどもこの実が好きで、実を啄んでいるのをよく見かけます。今日は乳房山を一周してきましたが、今年は花付きがよく乳房山全体に甘い香りが漂っていました。今年は実も豊作なことでしょう。
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2017年11月29日

乳房山開花情報

P1000140新しくなった登山道.jpg 11月中は前半が雨の日が多く、月末に近づくにつれて晴れの日が多い一カ月でした。乳房山登山道の改修工事のため、通行止め期間がありましたが、西ルート入口から船木山遊歩道・玉川ダム方面口までは通行可能です。快晴の今日は、玉川ダム方面から入山し、新しくなった登山道を歩いてきました。乳房山では母島の固有種のワダンノキのほか、シマザクラ、テリハハマボウ、シャリンバイ、ムニンヤツデ等が開花中で、渡りをするチョウで有名なアサギマダラがムニンヤツデで吸蜜していました。古くなっていた木道は下山中に滑りやすく、いつも心配でしたが、新しくなった木道には手すりも付いてとても歩きやすくなっていました。工事関係者の皆様、ありがとうございました。東ルート入口から玉川ダム方面分岐まではまだ通行止めの日もあるので、乳房山に行く方は母島観光協会で確認してから入山してください。
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2017年11月06日

アフリカマイマイ

IMG_1085アフリカマイマイ.jpg
 11月は例年では雨が多い季節ですが、このところ本当によく雨が降っています。昨年の冬の旱魃のことを思うとありがたい恵みの雨ですが、ご旅行中のかたはがっかりなことだと思います。雨が続くと母島の集落でよく見かけるのがこのアフリカマイマイです。カタツムリは夜行性なので、星を見に行くときや朝日を見に行くときには路上に無数に広がっていることも多く、足元に気を付けないと踏んでしまうことがあると思います。アフリカマイマイは小笠原へは昭和初期に台湾から薬効があるとして持ち込まれたようです。現在では広東住血線虫が寄生していることが広く知られていますが、検体の6割くらいから検出されているそうですので、気を付けてください。画像はキナバル山に行ったときに地元のお土産物屋さんで買ったカタツムリの置物です。アフリカマイマイによく似ていると思います。
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2017年10月30日

ジュズサンゴ

IMG_1238ジュズサンゴ花と実.jpg 母島の集落を歩いていると、本州ではあまり見かけない野草が多いのではと思います。画像の植物もそのひとつで、和名をジュズサンゴといい、南アメリカやアフリカを中心に分布するヤマゴボウ科の植物です。道路の路肩や公園の片隅などで見かけますが、明治後期には父島に入ってきているようで、母島では鑑賞用として栽培もされていたそうです。母島北部の大沢遊歩道入口や、南崎や乳房山の歩道沿いにも自生しており、落果が自然に発芽するので増えやすく、鳥も果実を食べるので鳥散布でも増えているようです。白い小花と赤く艶がある実の色の対比が美しく、観光の方から人気がある植物です。
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2017年10月26日

シカクマメ

IMG_1228.jpg 台風15号後にしばらく台風の影響がなかった母島では、色々な農産物が収穫期をむかえています。農協の売店をのぞくと、オクラやキュウリやインゲンなど、母島でとれた野菜が「島野菜コーナー」の冷蔵ケースに並んでいてとても嬉しくなります。そんな中でも珍しい形で、観光のかたからも人気があるのがこの「シカクマメ」です。サヤのほか、葉・花・地下茎なども食用になるそうですが、母島のお店で販売されているのはこのサヤの部分です。サヤの断面が四角い形をしているのが名前の由来ですが、沖縄では初夏から収穫されるので「うりずん豆」などともよばれているそうです。シカクマメは保冷する必要がなく軽いので、お土産にもお薦めです。天ぷらや炒め物やあえ物、肉巻などにすると美味しい島野菜です。
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2017年09月21日

乳房山開花状況

DSCN7731シマザクラ.jpg 台風15号後、晴れの日が多くもう一度夏に戻ったかのような母島です。そんな中、母島のあちこちでは天然記念物のオガサワラゼミが鳴いています。最盛期には会話ができないほどのボリュームで鳴くオガサワラゼミですが、今のところチラホラという感じで、10月になっても鳴き声が聞かれるのではないかと思っています。植物の開花状況ですが、乳房山ではシマザクラ(アカネ科)が満開で、蜜を求めてやってくるオガサワラクマバチも観察できます。その他、ムニンセンニンソウ、ムニンシュスラン、ナンバンギセルなども開花中です。ハハジマノボタンの開花はほぼ終わりですが、1~2輪花が残っている枝もあるので、注意して探してみるとみられると思います。旱魃だった影響かワダンノキの開花は今年は少し遅くなるかと思います。まだ暑い時期ですので、十分な飲み物を持って山歩きを楽しんでください。
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